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Boys Be Ambitiousの再定義

テーマ:[キャリア]
更新日: 2018年 8月 15日(水)
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はじめに

クラーク博士のイラスト
© C.T.Labo

少年よ、大使を抱け」と訳される、"Boys Be Ambitious"ですが、何か間違っているとは思いませんでしたか?

ambitiousは確か「野心的な」と言う日本語訳で習いませんでしたか?

目次

  1. 1. Boys be ambitiousの一般的な知識
  2. 2. この記事の筆者は何が気に食わないのか?
  3. 3. 実際に発したかもわからない言葉
  4. 4. まとめ

Boys be ambitiousの一般的な知識

Boys be ambitiousという言葉はクラーク博士として知られる現在の北海道大学の札幌農学校の初代教頭であるウィリアム・スミス・クラークの別れ際の言葉と言われています。

日本語訳としては「少年よ大志を抱け」という風に訳されます。しかし、それが本当にクラーク博士が言った言葉であるのか学生たちが本当に聞き取ることができたかという正確な根拠はありません。

さらにBoys be ambitiousという言葉には続きがあり、クラーク博士自身をさしてBoys be ambitious like this old men.(少年よ大志を抱け、この老人のように)と言ったという説が有力となっています。

Boys be ambitiousの文法的な解釈としては、"Boys, be ambitious!"というように、最初のBoysが呼びかける言葉として、be ambitiousは命令文として解釈できます。他の例文としては、"John, be kind!"(ジョン、親切にしなさい)のように先生が生徒にいう表現と同じような形です。

この記事の筆者は何が気に食わないのか?

筆者が不自然だと思うことはこの"ambitious"の部分です。"ambitious"は「大志を抱け」のようなプラスの意味を持つ言葉ではなく、多くの場合野心的というマイナスな言葉でと訳されることが多いです。

例えば、海外のサッカーが好きな人限定ですが、ヨーロッパのチームの監督や選手がインタービューを受けていて、その下に出てくる日本語訳に「野心を持っている」という訳を一度は目にしたことがあるはずです。多くの場合にambitiousに近い、言語学的にはラテン語の"ambitiose"に近いヨーロッパの言葉が使われているはずです。

つまり何が言いたいのかというと、日本語では「野心的な」という表現は貪欲に金に執着しているずるい奴というマイナスなイメージを含みますが、海外の"ambitious"という表現はむしろ貪欲に結果を求めようとする姿勢はプラスの意味を持ちます。

そこで、クラーク博士が学生たちに言った"Boys be ambitious"をもう一度見てみましょう。クラークはおそらく、欲を持たなく、自己犠牲に高い比重を置く日本の学生たちをみて心配して言った表現なのではないかと思います。

日本人とヨーロッパ人の価値観は当然違います。いまと違って簡単に海外の情報を入る環境でもありませんでした。その日本人たちの欲のなさをヨーロッパ人として心配するのは当然に思えて来ますし、間違っても日本語らしい「大志を抱け」なんて訳ではだめなのだと思ってしまいます。

実際に発したかもわからない言葉

しかし、実際言った言葉なのかもわかりません。別れ際に言った言葉でその学生たちが本当に聞き取れたかもわからない言葉なので確かめようもありません。

boys be ambitiousの説の中には金に欲深い大使ではならないという説もあるそうです。しかし、やはり不思議ではなりません。ambitiousという言葉の中に少なくとも「お金に強欲な」という意味を含んでいるように思えます。

"Be ambitious not for money"という表現は文章としてなんかおかしくありませんか?

この説以降の文章は非常に日本人らしくヨーロッパ的ではありません。まるで日本人が考えた英文のようにしか思えません。その文章の中には日本人の価値観が絶対に存在しています。

まとめ